取材協力:Coffee&Jazzノンク・トンク
盛岡方面から国道4号線を南下、JA見前支所前交差点を過ぎると右手に見えるカラフルな鍵盤の看板が目印のCoffee&Jazzノンク・トンク。「20代の頃、カウントベイシーオーケストラのライブでジャズと出会いました」と話すのは、オーナーの藤川由利子さん。コーヒーの香りを楽しみながら心地良く過ごせる空間を作りたいと、四十数年前矢巾町の駅前に「NONK TONK」を開店しました。
国内のライブに通ううち、本場の音が聞きたいと「1982 Kool Jazz Festival」のチケットを握りニューヨークへ。「そこで『スイングジャーナル』の児山編集長と知り合ったことが大きかったですね」と藤川さん。ライブハウスで生の演奏を楽しむニューヨークスタイルを肌で感じ、「ライブができる場所を作りたい」と児山さんに相談。造形家の松岡信夫さんを紹介してもらい、店の設計を引き受けてくれることに。天井や部屋のステンドグラスを手がけてもらい、良い音楽をたくさんの人に聞いてもらいたいと、大きなグランドピアノや高音質なスピーカーを音が良く響くように設置。こうして1989年9月9日、「JAZZ NONKTONK」は現在の場所に移転オープン。「児山さんのおかげで、世界のビッグ、レイ・ブライアントがここでオープニングライブをやってくれました」と振り返ります。曲は「Tonk」、マイクを通さない極上の生の音が響き渡りました。その後も海外のライブに毎年足を運ぶなど国内外のミュージシャンと交流を深めてきました。しかしここ数年は実現できず「上質のスタンウェイ(ピアノ)がここにあるのに、弾き手がいなくてかわいそうね」と藤川さん。今は静かにジャズを聴いて、海外に往来できるようになったら、またここでニューヨーク(ライブ)をやりたいと話します。
メニューのコーヒーは種類も豊富。ストレートはサイフォンの一杯立てで、ブレンドはネルドリップで、と淹れ方にこだわり提供しています。ジャズが好きな方も、馴染みのない方も、思い思いの時間を過ごすことができる極上の空間へ足を運んでみませんか。